放射線療法:正常細胞のダメージを少なくする研究が進む

放射線は、細胞のDNAに直接作用して細胞分裂による増加能力をなくしたり、アポトーシス(細胞が自ら死んでいく過程)を増強することで、細胞を死に至らしめます。放射線はがん細胞だけでなく正常細胞にも同様に作用しますが、正常細胞はがん細胞よりもダメージの程度は低く、放射線照射前の状態に回復することがほとんどです。

放射線療法にはいくつかの種類がありますが、体幹部定位放射線治療では、体幹部の狭い範囲の小腫瘍に放射線を短期に集中して照射します。主に肺がん、肝臓がんに用いられ、特に早期がんに対して高い効果を示す治療法となっています。

体幹部定位放射線治療の場合、保険が適用されるのは、頭頚部腫瘍、直径5cm以内の転移病巣のない原発性肺がんあるいは原発性・転移性の肝がんの治療があり、このほかのケースの治療では保険外診療となります。

1日12Gyで4~5回照射する分割照射法が典型的な照射法でリンパ節転移がないことが重要なため、PET検査(アイソトープ検査)を実施することもあります。1回あたりの治療時間は約40分で、その他の治療準備と合わせて治療にかかる日数は約10日間となっています。

従来のリニアック(荷電粒子を加速させる装置)による放射線治療の場合には、頭頚部・肺・食道・肝臓・泌尿器・直腸・子宮・乳・悪性リンパ腫、骨転移などの悪性腫瘍に対しては保険が適用されていますが、これ以外の場合は保険外診療か先進医療の扱いになります。

粒子線治療

加速器で拘束に加速された重粒子や陽子をがんに照射し、治療する方法です。これらの粒子線は、目標とするがん組織に到達した時点で一気にエネルギーを放出するという性格を持つため、他の放射線よりも周辺の組織の障害の程度が低いことが特徴です。

がん治療に用いられる放射線は、光子線と粒子線に大別されます。光子線とは、電磁波であり、エックス線やガンマ線など従来の放射線治療に利用されています。粒子線は、水素の原子核・炭素の原子核等の粒子を利用した放射線で、そのうち特に陽子線と重イオン線を用いた治療を粒子線治療といいます。

免疫細胞療法

がん細胞を攻撃する作用を持つリンパ球などの免疫細胞を体外に取り出し、特別な処理を施し、がん細胞に対する攻撃力を高めて再び体内に戻すという治療法です。副作用がほとんどなく、他の治療法と併用可能なことから進行がんの血ろ湯や手術跡の再発予防に使用されることが多くなっています。

免疫細胞療法を実施する際には、実際の治療は医療機関が行い、企業は医療法に抵触しない医療支援を事業化することで住み分けを可能にし、適切な共生関係を構築することができます。